河原のスズメバチ

スズメバチの凶暴さは有名で、その姿を見ただけで恐怖を感じる人も多いだろう。昆虫好きな人達の間でもフィルドでこの蜂に遭遇すると注意して行動するのは常識である。夏にクワガタやカブトの採集でクヌギの樹液を見てまわっているとスズメバチが来ている事があるがこんな時は下手に手出しをしなければ襲ってはこないようだ。秋が最も注意が必要だとされ、確かにこの時期は巣に近づくだけでも威嚇してくる。最も大きく危険とされるオオスズメバチは太い朽木のウロや根の部分に巣を作るのだが、一度怖い思いをした事があった。山道に転がっていた太い朽木のウロに巣があるのを知らず足で蹴飛ばしたら、突然中からオオスズメバチの大群が現われたのである。幸いその時は車が近くに有り必死に逃げて刺されずにすんだが、小さい子供ずれだったらと思うとぞっとする経験だった。
そんな凶暴さをもったスズメバチなのだが、先日見たスズメバチの生態が面白かったので書いてみた。ただスズメバチに詳しい方にはあたり前の生態なのかもしれない。

近所の鳥さんなどがいる何て事はない小川に何故かトンボを撮影したくなって出かけたのであった。しかし最盛期も過ぎ雨上がりでトンボは少なくシオカラトンボノシメトンボを数匹見たくらいで、ヤンマの類はいなかった。


ふと足元を見ると小さい花をつけた草の間をミツバチ状態で飛びまわっている蜂があちこちいるのに気が付いた。大きさからしスズメバチの仲間である事はすぐに分かったが、今までこんな場所でスズメバチを沢山見たのは初めての事である。そこでトンボは諦め、とりあえずこの蜂の写真を撮ってみることにした。


スズメバチの一種だが、花の蜜をせっせと集めて? いる。家に帰って調べてみると、これはモンスズメバチと言う種類だった。日本にはスズメバチの仲間が16種いるそうだ。


こちらはオオスズメバチクヌギなど樹液の出る場所で遭遇すると威嚇してくる事もある凶暴さだが、ここでは近くによって撮影しても一向にこちらには無反応で一生懸命に花の蜜を吸っている。


モンスズメバチの飛翔。


オオスズメバチも確認できただけで10匹以上が花に来ていた。

初めて河原の草花に集まった多数のスズメバチを見たのだが、この時期食料になるものが少なく花の蜜に集まってくるのだろう。今までオオスズメバチが他の昆虫(蜘蛛、バッタ、蝶、トンボ)を狩っているのを見た事があるが、ミツバチの様に花から花へと飛びまわるスズメバチは初めてだった。