マルタンヤンマとネアカヨシヤンマ
今年の夏はまだ叶っていないマルタンヤンマの撮影を一つの目標にしていたが、シーズン到来の七月は昨年と違い記録的に日照時間が少なく条件が良い日が中々こなかった。終盤の梅雨明けからやっと気温が上昇し見つかる確率が高いと聞く某産地へ向かったのは8月1日になってからだった。
色々なトンボの産地を自分で探すのも楽しみで、マルタンに関しても以前から人に産地を聞いていたのだが今まで中々足が向かなかった。しかし自分でマルタンが生息していそうな場所を探しても夕刻に飛んでいるのを目撃する程度しか出会う事が無く撮影は無理、毎年このままだとこっちの寿命が尽きてしまいそうである(笑) そこで、とうとう教えて頂いた某有名産地へと出かける事にした。
8月1日、張り切って到着したのは午前の9時、早速林道へ繰り出してとぼとぼと歩きながら姿を探す。気温はすでに三十℃を超えて蒸し暑く汗が止まらない。とりあえず林道を二周してもオオシオカラとシオカラとギンヤンマが飛んでいるくらいでマルタンの姿はない。
くたびれてベンチに座り水分補給をしていると通りかかったカメラを持った人からアドバイスを頂いた。「午後からが勝負なのです」 少し早く来すぎてしまった感である。
その方の解説によるとマルタンは気温の上昇でより涼しい下の方へ降りて来て止まるのだそうだ。そうこうするうち11時を回り更に気温も上がって来た。すると林道で出会った別の人が、向こうでマルタンを撮影している人達がいると教えてくれる。行ってみるとマルタンの雌が止まっていて二人が撮影しているところだった。承諾をもらい一緒に撮らせて頂いたが、これが初のマルタンヤンマの撮影となる。
2019.08.01 マルタンヤンマ雌、産卵後なのか体には泥が付着。
しばらく撮影しているともう一人の方が向こうにマルタンの雄が止まっているとの事で、すわ移動、またまた一緒に撮影をさせて頂きマルタン雄の初撮影となる。その後別の場所でもう1頭のマルタン雄も撮影。結局自分では1頭もマルタンを発見する事が出来ずこの日は全て人に教えて頂き撮影したものになった。
2019.08.01
2019.08.01
2019.08.01
酷暑の中歩き疲れ昼を回った頃もう限界、帰ろうと一緒に撮影させて頂いた方にお礼を言い林道を駐車場へ向かい歩いていると枝にヤンマらしきシルエットを発見! 近寄ると何とネアカヨシヤンマだった。早速撮影していると通りがかった人からさっき一緒にマルタンを撮影させてもらった人がネアカを探していたと聞く。そこで、ネアカが止まっている事を知らせに戻る事にし、数人での撮影となった。
2019.08.01 ネアカヨシヤンマ
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8月9日も同じ場所へマルタン狙いで行く事にし、この日は前回より遅く出かけ到着したのは11時頃。やはり前回撮影したポイントへ足が向いてしまうのだが、そう上手くは行かない。先に来ていた人達もまだ発見出来ていないと言う。
林道で遭遇した人と話しているとその人がカトリヤンマ雄を発見し撮影する。羽化間もないと思われる個体である。
2019.08.09 まだ羽化して間もないカトリヤンマ雄
昼を過ぎて前回とは別の場所でついにマルタンが止まっているのを発見出来た。それも近い場所に2頭。
2019.08.09 マルタンヤンマ雄
2019.08.09 マルタンヤンマ雌
前回とは別の場所でネアカヨシヤンマも見つかった。
2019.08.09 ネアカヨシヤンマ雄
この日ヤンマはマルタンヤンマ雄が3頭、雌が4頭、ネアカヨシヤンマ雄1頭、カトリヤンマ雄1頭を撮影出来た。ここにはヤブヤンマも居ると言うが、前回と今回は遭遇しなかった。
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8月17日、この日も昼近くになって同所に訪れてみた。9日よりも個体数は減少した様子。
8月17日 マルタンヤンマ雌、これは老熟個体なのだろうか、図鑑を見ると老熟個体に側面の模様が鮮やかなグリーンになるものがいる。写真よりも更に老熟するとグリーンぽくなるのか? そんな個体を見つけてみたい。
8月17日 フラッシュ無しで撮影
今年の目標の一つマルタンの初撮影は何とか叶った分けだが、結局発見者から撮影させて頂いた個体の方が多かった。自身で見つけられたのはマルタンが雄2頭、雌1頭、ネアカが雄1頭で、中々発見するのは難しい。