蜻蛉撮り  ネアカヨシヤンマ

夏も本番になりマルタンヤンマやネアカヨシヤンマなどまだ出会った事のないヤンマを首尾よく撮影するという甘い計画を立て猛暑日がはやくこないかと待っていた。これら稀と言われるヤンマが多産し産卵も見られるところもあるらしいが詳しい産地を知る術がない。人づてに聞く良く知られた有名産地では暑い日に涼しい森の木の枝にぶら下がる個体を暑さにめげず黙々と時間をかけて探す事が必要らしい。体力勝負なのだそうだ!

関東がやっと梅雨明けし予報では夏日になりそうな7月29日、有名産地へ出かけるかどうか迷っていた。もう少し気温が上がり猛暑日になると言うなら迷わず出かけたのだが、どうも遠出する気になれず、家から近い5月にサラサヤンマを撮影した良く行く谷津田へオニヤンマの産卵を見に行く事にした。

ここはこの界隈でオニヤンマが一番多いと感じる場所である。11時頃に着きいつものように駐車場から歩いてオニヤンマポイントへ向う。道すがら見ていくが今年の発生数が少ないのかこの時期多いはずのオニヤンマがあまり飛んでいない。ポイントに着いて待つこと三十分ほどの間に探雌に来た雄を一頭目撃したのみである。蚊雌がやたら多く猛攻に遭いながら更に待つうち軽い羽音がして近くに何かトンボが止まったのが目の端に見えた。薄暗い中、遠目ではヤブヤンマのようにも思えるがヤブヤンマもまだここでは見ていない種である。少し期待しながら慎重に近づくとアオヤンマに似たシルエットの中型ヤンマである。更に体側の模様や色に目など特徴を頭の中で整理すると何とこれはあの希種ネアカヨシヤンマじゃないか? 更に間違いないと確信するまでしばらく掛かってしまった。こんな有名種、トンボ好きなら瞬間に分かりそうなものだが今日ここでネアカに会えるとは全く予想もしなかった展開のせいである(笑)
何故か突然トンボの撮影に憑かれここに通い始めてから三年目になるが、過去にここでの記録が有るのか今まで見た資料では確認出来ず、多いとは言えないトンボ人脈からも聞いたことが無かった。この場所でヤンマの稀種と言えば広範囲を飛翔すると思われるマルタンヤンマらしき姿を目撃したことはあった。しかしネアカヨシヤンマに関しては生息できそうな環境は有るものの本当にここで見られるとは驚きである。恐らく数は少ないと思われるがここにもネアカヨシヤンマは居た。



7月29日ネアカヨシヤンマ雄

最初にとまった枝は足場が悪く撮影に良い位置がとれなかった。しばらくするとネアカはとまったまま横に移動し向こう側へ回り込みはじめた (タマムシみたいな事をする汗) 何とか位置取り出来ないかとガサガサやっているうち飛ばれてしまう。



7月29日

運良く遠くには飛ばず近くにとまってくれた。ヤブヤンマなどと同じにフラッシュを使うと目が美しいブルーに写る。



7月29日

葉が若干被るので更に回り込んで撮影したかったのだが、ここで飛ばれてしまい見失った。それに近づきすぎで尾の先がギリギリである。どうした事かこの時300mmレンズに×1.4のEXTENDERを付けていたのだ!  もう少し下がれば良かったのだが何せお初にお目に掛かってピントばかり気にしてしまった(笑)



7月20日

ここでマイコアカネも確認できた。羽化間もない個体。



7月24日

ここは何故かギンヤンマは少ないが、気温30℃を超えた暑い中元気に飛んでいた。


今回ここでネアカヨシヤンマに出会えたのは宝くじに当たったような感覚(確率) として考えるのか、それともトンボの生態に関して熟知しポイントを押さえて探索すればそれほどのものでも無いのか、トンボに関する知識 (センスと言うか感覚的なカンも含めてでしょうか) の集積が少ない為まだ良くわからない。書籍資料、その他情報からこの種の産卵場所の条件など調べたが、条件がそろうと思われる場所もこの地域に幾つかあった。そこで待てば産卵に出会える可能性もゼロではないと思うのでこれから楽しみにしている。
それと今までこの場所で黄昏飛翔するトンボの観察を行った事はなく、時間が許せば夕暮れ時にどんなトンボが飛ぶか見に行こうと思っている。更に以前ここで二回ほど姿を見た(多分マルタンだと・・)マルタンヤンマを何とか撮りたいと思う今日この頃である。